【記 録】
(2月27日)
冬季の鳳凰山は、天候等の理由でタイミングが合わず2年越しの計画だった。
当初は三山縦走する予定であったが、27日の稜線は強風の予報であり、稜線へ上がる予定を翌日へ繰り越し、南御室小屋までとした。
この時期、夜叉神峠登山口まで車で入れるのは有難い。しばらくは雪のない道を歩いたが、夜叉神峠手前から雪道となった。夜叉神峠からは白く輝く白峰三山を見ることができ高揚感でいっぱいになった。
しかし、山火事跡付近まで歩くといつの間に北岳は雲の中。樹林帯の中でも風を感じ立ち止まると肌寒くなる。雪山が久しぶりというメンバーもいたため、ワイワイ話したり写真撮影しながらゆっくり歩いた。
南御室小屋到着。この日はテント3張、冬季小屋宿泊者1パーティーがいた。持ち寄ったおつまみと赤白ワインをあけ夕食を済ませる。夜テントの外は風の轟音が聞こえるが星空が広がっていた。明日の好天を期待し眠りについた。
(2月28日)
出来れば、鳳凰三山の最高峰観音岳まで登りたい。テントを撤収し不要な荷物は冬季小屋へ置き、必要な荷物を持ちいざ薬師岳へ。しばらくは緩やかな樹林帯を登る。
昨晩降った雪がトレースを消していた。木の間から朝日が昇るのを見ながら雪の上に新しいトレースをつけていく。
いよいよ稜線に出ると烈風が吹く。目出帽を被り砂払岳の花崗岩を縫うように登り雪に埋まった薬師岳小屋を横切る。
開放的な薬師岳を後にし南アルプスの絶景が広がる素晴らしい稜線歩きの始まり♪稜線にはほとんど雪はないが、砂れきと雪、凍結していてアイゼンが刺さり快適に歩けた。
鳳凰三山最高峰、観音岳に到着!今まで見えていなかった甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳、そして鳳凰山を象徴する地蔵岳のオベリスクが眼下に見えるようになる。
八ヶ岳は赤岳だけが顔を出していた。振り返ると富士山の頭が控えめにしかし端正な姿が存在感抜群であった。
往路を戻り南御室小屋でパッキングし帰路についた。
風は強かったが、天気にも恵まれ南アルプスの懐で雪山テント泊、絶景の稜線歩きと冬山を堪能できて良かった。
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